【古民家再生日記 着工48日目】屋根の改修が始まりました
着工48日目。本日は土曜日。私は火曜日にお休みをいただいたので今週の実労働は5日間。他の「大工」さんたちよりはお休みを多くいただいているのですが、いつも以上に疲労感を感じています(泣) 木曜日に160枚の石膏ボードを運搬したダメージから回復しきれず、木曜日からずっと握力が戻りません。
コンディションは最悪ですが「今日一日を乗り切れば、明日は休み」というのが唯一の救いです。「明日が休み」というのがモチベーションになるのは「大工」の仕事をしていても会社員の時も大差ありません(笑) やはり休息は大事です。
そして、明日のお休みを心安らかに過ごすためにも、本日の仕事でベストを尽くさなければなりません。土曜日の現場作業が始まります。
そして本日は現場に「屋根」屋さんが合流しました。来週からの「屋根」の改修のために今日はその下準備に来ていただきました。私は「大工」チームを一時離脱して彼らのサポートに入ります。

まずは、今現在で「屋根」の上に敷かれている古い瓦を全部、撤去しなければいけません。「屋根」に登り、作業を開始するのですが「屋根」の上の不安定さに加えて、作業を困難にしたのは瓦の脆さです。少し持ち上げただけで、ガラスのように割れていきます。よくこの程度の強度で雨と風を凌いでいたな、と不思議に思うほどです。この程度の強度の瓦ならベストのコンディションであれば、正拳突きで10枚は叩き割る自信があります(笑) 直に触れて初めてわかったのですが、そのくらいに瓦の劣化を感じました。
何年間、この古民家を守っていたのかはわかりませんが、この瓦はその役割を果たし終わりを迎えたのだと思います。「お疲れ様」という気持ちを持って丁重に供養しなければいけません。

「屋根」から取り外された瓦は荷揚リフト(ウインチ)という電動はしごに乗せて、1階に運搬されます。「屋根」の瓦はとてつもない枚数なので、かなりの重労働です。1階に運搬された瓦は大型トラックに乗せて、工務店の脱着式コンテナ(パッカン)まで運んで、その後に廃棄します。

炎天下の中、私はただひたすらで「屋根」から大型トラックまで瓦を運び続けます。大型トラックで運搬できる荷物の重量は1,450kgまでです。最終的に瓦は大型トラックの荷台が2台分。つまりは約2,900kgの瓦を運搬、そして廃棄しました(泣)
朝に起きた時から前日までの労働の影響で私の握力はほとんど無かったのですが、瓦の運搬作業を終えた時には指先の感覚が無かったです(笑) そして真っ直ぐ歩くのも困難なほどの足の痛み、そして疲労感。
しかし、「屋根」の改修作業はまだ終わりません。

…次は瓦を接着するために敷いていた土を剥がさなくてはいけません。傾斜のある「屋根」。土は本当に滑りやすく足場の踏み込みがほとんど効きません。何度も転げながら(冗談ではなく「屋根」から落ちそうになりました)、廃棄する土を土のうに詰め込みます。

…「屋根」から降ろした土のうの数は約100個。1個10kgくらいなので合計で1,000kgくらい。これもまた大型トラックまで運び続けます。体力ゲージはもうゼロです。終盤の作業はどうやって、土のうを大型トラックまで運んだのか記憶にありません。K.Oされるギリギリのボクサーの感覚です(笑)
大型トラックの荷台3台分。今日1日だけで4,000kg程度の廃棄物を古民家から運び終えた計算になります。そして、その重量が全て「屋根」を通じて建物に負荷がかかっていた訳です。これは耐震対策として決して好ましいことではありませんでした。来週からは「屋根」屋さんには比較的で重量が軽い「屋根」、カラーベストをこの古民家の天井に敷いてもらいます。
「大工」さんたちが構造補強として建物に多くの木材を追加してくれたので、もう耐震対策としては満足していますが、さらに「屋根」まで軽くなるのですから、もし仮に神戸に大きな地震がきても、この建物は安心だと勝手に確信しています(笑) まぁ、地震災害は建造物の倒壊によるものより他の危機の方がリスクが高いので何とも言えませんが…。

瓦と土を剥がした「屋根」は木材を貼り付けただけで、水を防ぐ機能が果たせないために一時的に「屋根」の上にブルーシートを貼って、本日の作業は終了です。今日は運よく天候に恵まれましたが、明日は残念ながら雨の天気予報です(泣) このブルーシートがどのくらい建物を雨露から守れるか多少の不安はありますが、それは月曜日までのお楽しみにしておこうと思います。私にできることはただ祈るぐらいです。
しかし、「屋根」とブルーシートの心配より、本当に気にかけるべきは自身の身体のコンディションです。今日1日の作業でもう身体はボロボロです(泣) また来週からベストな仕事ができるように、この日曜日はしっかり休みます。