【Vlog】大阪・関西万博EXPO2025 へ行って来ました
2025年4月13日から開幕した関西万博EXPO2025に行ってきました。
開幕直前まではその開催意義や運営について、前評判は厳しいものがありましたが、私たちはずっと前から興味を抱いていました。
前回に大阪府で万博が開催されたのは1970年です。日本で万博が開催されたのは2005年の愛知万博以来。5年に1回しか開催されないイベントが神戸市の隣の大阪府で開催されるのですから、この機会を逃すわけにはいきません。
単純計算ではありますが、次に万博が日本のどこか開催されるのが20年後か30年後だと仮定すると、私たちが健康的かどうか?生きているかどうかすら定かではありませんから(笑)
税金の無駄使いだと言う人も居ますが、世界の英知やテクノロジーが日本という小さな島国に集結しただけでも、誇らしい事だと私たちは思います。

更に言えば、今回の関西万博EXPO2025は私たちにとって馴染みが深い大阪府で開催されているのです。
電車を乗り継げば1時間程度でそこまで辿り着くのです。
しかも、ありがたいことに神姫バスさんが三宮から万博会場までの直通バス(1,000円)を運行しているのです。
わずか45分で私たちは万博会場までたどり着けるのです。厳密にいうと、神姫バスさんのバス乗り場で少しは待たないといけないので、神戸から45分で万博会場まで辿り着くわけではないのですが、これはありがたいことです。
そして、神姫バスさんの直通バスを利用すれば、比較的に混雑が緩やかな西ゲートから入場が可能なのです。

私たちは民泊施設も運営しているのですが、宿泊者様の何組かは関西万博EXPO2025が目的で私たちの施設をご予約いただきました。
大阪府で開催されている関西万博EXPO2025で、神戸の宿泊施設を予約する理由はなぜだろう?と不思議に思っていたのですが、彼らは「直通バス」と「西ゲートからの入場」が便利だということを事前に情報収集していたのでしょう。
私たちも報道や噂に聞いていたような「会場に入場するまでの混雑」を経験することなく、関西万博EXPO2025の会場に辿り着く事ができました。

あまり普及はしていないのですが関西万博EXPO2025はVR空間で会場を下見することができます。
そのアプリやソフトは公式サイトから無料で入手が可能なのですが、このソフトは中々に優秀で、会場全体をアバターで歩き回ることができるオープンワールドになっています。

私たちはこのソフトを使って会場を下見して、効率よくパビリオンを回る予定だったのですが、現実はそうはいかず・・・事前に組んでいた予定表やプランは何の役にも立たず、想定より少ない数のパビリオンしか回ることができませんでした。
しかし、どのパビリオンも印象的で私たちの好奇心を刺激するには十分でした。
その中でも印象に残ったいくつかのパビリオンを紹介させてください。
まずはベルギーパビリオン。私たちの民泊施設には今春、多くのベルギーからの宿泊者様が訪れました。彼らとのコミュニケーションを経て、彼らの国に敬意と興味を抱いていたので、今回はどうしても訪れたいパビリオンの1つでした。
関西万博EXPO2025に行ったベルギー人宿泊者様からの「(並ぶから)必ず予約しろ」との助言を私たちは聞き入れなかったため、入場まで40分も要しましたが、それは一見の価値のある展示でした。
彼らが医療先進国としての実績や国を挙げて注力するライフサイエンス、ヘルスケア分野について紹介されていました。展示は視覚的にも工夫が施されているので、難解なテーマにも関わらず飽きる事なく、来訪者の好奇心を刺激するでしょう。
私たちの民泊施設に宿泊してくれたベルギーの方たちに「私たちはあなたたちの国にもいつか行ってみたい」という旨のことをよく話すのですが、その気持ちがまた強くなりました。


次に紹介したいのは中国パビリオンです。こちらも私たちの民泊施設に多くの中国からの宿泊者が訪れるので、その方々に薦められたのです。
もちろん、それ以外にも私たちは隣国として中国には敬意を抱いていますし、彼らの生活にも興味があります。私たちは普段から彼らの生活や歴史について紹介された映画やドキュメンタリーも多く視聴しているので、他の来訪者より下準備ができた状態でパビリオンを訪れたつもりだったのですが、そんな小さな矜持は入場してすぐにどこかに消え去りました。

彼らのパビリオンの規模やテクノロジーは想像を遥かに超えたものでした。
歴史的に価値のある展示物も多く、本来ならそちらに関心を持っていかれるのですが、その展示方法が最先端が過ぎていて、展示物の価値まで興味が辿りつきませんでした。
彼らの展示は「見せる」より「体験させる」ことを重んじていたように見受けられました。全ての展示物がアトラクション的で、彼らのパビリオンは明確に「未来」を提案していましたし、それは現在より快適なものに見えました。
中国パビリオンは私たちが想像していた「万博」そのものでした。私たちは彼らの英知とテクノロジーに少しだけ触れたのです。
中国パビリオンの会場をあとにした時、「凄いものを見た」という高揚を私たちは覚えました。


中国パビリオンと逆の意味で高揚を覚えたのは北欧館でしょう。彼らの展示の規模は恐らく中国パビリオンの1/10くらいの小さなものでした。
彼らのライフスタイルや主張がわかりやすく展示されているのですが、最新のテクノロジーがあるわけではなく、その展示方法や演出に工夫が多く凝らされていました。

それはあまり広くない空間だから実現できる演出で、照明や音楽で北欧に近い空気感が疑似体験できた気がしました。
会場内にいる間は不思議な浮遊感やゆったりとした時間が流れていました。そこにいる間は炎天下を歩き回り、混雑の中で何時間も入場列に並ぶストレスを忘れさせてくれました(笑)

狭い会場を効果的に使うという意味では関西パビリオンもまずまず楽しめました。
私たちは大阪出身で兵庫在住なので、パビリオンを通じて関西についてあまり新たな発見があった訳ではありませんが、展示の工夫や演出などが各県で特色が出ていたと思います。
ちなみに兵庫県の展示は・・・時間が許せばどうぞ、というくらいのおすすめレベルです(笑)

各国のパビリオンも素晴らしかったのですが、「いのち」について考える展示シグネチャーパビリオンも興味深かったです。その中から私たちが訪問したのが「EARTH MART」なのですが、これは「食を通じて、いのちを考える」がテーマのパビリオンでした。

私たちが飲食店を運営しているからこのパビリオンに行ったという訳ではなく、たまたま予約が取れたから、「EARTH MART」にお邪魔したのですが、結果は学びが多い時間になったと思います。
このパビリオンでは主に私たちの食事からどのくらいの犠牲やコストがかかっているか、1人の人間がどのくらいの食品を生涯で消費しているか、そしてそれが持続可能なものなのか?を問題提議し疑似体験できます。
そして、新たなテクノロジーを通じて、「未来の食生活」の提案を来訪者は考える仕組みになっていました。

幸いにも私たちのお店の定食メニューは一日で提供できる数を制限しているので、今まで4年間の営業を通じて食品ロストをしたことは一度もありません。
もし、自分たちの作った食事を廃棄することになったら、きっとかなり心が痛むと思います。
それは自分たちに悔いが残る、という意味でもありますが、そのさらに向こう側には食品を販売・生産してくれた全ての関係者様にとっても申し訳なく思ってしまうのです。
せっかく来店してくれたお客様に売り切れが理由で定食メニューを提供できずにお断りする申し訳ない気持ちを抱く日もあるのですが、提供数を制限しているのは、もし提供商品が売れ残った時に廃棄することになった時の心理的負担が顧客に対する申し訳なさを上回るからです。
ゆえに来店したお客様 (特に高齢者のお客様に多いのですが) が注文したメニューにほとんど箸をつけずに席を立たれることが何年かに1度はあるのですが、その無粋さに私たちは無力感や後悔、怒りや申し訳なさの全てを覚えます。
もちろん、ほぼ全てのお客様が提供したメニューは綺麗に完食していただけることに感謝しています。
話を「EARTH MART」に戻すと、そこでは「食のありがたさ」を再確認させてもらえたと思います。
それは飲食店を運営する立場としてもそうですが、一般的な消費者として、その気概を忘れないように心がける次第です。

他にも興味深いパビリオンに数多く訪問したのですが、その全てをここで紹介するのは野暮だし、私の文章力では不十分です。
実際に多くの人たちに関西万博EXPO2025に足を運んでもらって、実際の展示を見てもらえるように祈るだけです。
正直なところ、関西万博EXPO2025はシステム的に乱雑で不公平です。
この複雑な予約システムを十全に理解し、各パビリオンに並ぶことなくスムーズに楽しむことは難易度が高いです。
開幕前に彼らが掲げていた「並ばない万博」という目標は少し理想主義が過ぎたかもしれません(笑)
私たちは運良く予約システムの仕組みを一部を理解し、運営の不公平さを把握したのでストレスを最小限にしてパビリオンを回れた (もちろん不便はあった) のですが、何の予備知識もない方がフラッと万博会場を訪れたなら、パビリオンに並ぶ時間が長過ぎて、とても満足できるような1日を過ごすことは出来ないでしょう。
そして、そういった方々が関西万博EXPO2025の評判(前評判も含む)を悪く言うのも理解できます。
しかし、一方でこうも考えられます。きっとこの乱雑さで不公平さは「未来の社会」の姿に近いのだと思います。
実はこの乱雑さと不公平さの先に「利便性」があるのだと思います。
まぁ、この関西万博EXPO2025という社会実験で「利便性」を十全に享受できた賢者は本当に少ししか居ないとは思いますが(笑)
パビリオンの入場での不便さを抜きにしても、各パビリオンの建物の美しさや広大さ、時折で開始されるイベント・・・そして何より大屋根リングのような壮大な木造建築の上を散歩できるだけでも、十分に一見の価値はあると思います。

関西万博EXPO2025の中で私たちが目に見たほとんどのものは美しく刺激的でした。
入場料の6,000円は決して高いとは思わなかったです。同じくらいの費用を要する退屈な飲み会に参加するくらいなら、それはきっぱり断って、関西万博EXPO2025に行くべきです(笑)
私たちは炎天下の中で1日で約25,000歩(15km)は歩き続けて、万博会場から神戸の帰りの直通バスに乗ったのは21時を過ぎた頃で身体は疲労困憊でした。それでも「またここに戻ってきたい」と私たちは思いました。
関西万博EXPO2025は10月13日で閉幕なので、まだ私たちにはもう一回くらいは会場に足を運ぶチャンスがあるでしょう。

そして、次に日本で万博が開催されるのはきっと20年後か30年後でしょう。
もし私たちが健康体を維持しているなら、そこにも行ってみたい、と今は思います。
20年後か30年後の私たちの中にまだ好奇心が残っていれば、また彼らの提案する新しい「未来」が見てみたいのです。
