【古民家再生日記 着工15日目】「大工」という仕事①
着工15日目。本日は土曜日。今週の業務は今日で終わり。明日は休みです。「大工」は週6日、身体を駆使した仕事ですので、流石に疲れはピークに達しています。一週間を通して考えると、だいたい月曜日と火曜日のコンディションは良好。そして水曜日と木曜日はO.K.なコンディションが続き、それから日曜日まではずっと筋肉が悲鳴を上げた状態です(笑) 身体的に本当にきつい仕事です。今日で現場に入って3週間が経過しましたので、ここで少し「大工」という仕事の1日についてご紹介したいと思います。(※この紹介は当物件の現場内での話で他の現場とは働き方が異なるとは思います)
朝は8時30分から現場が始まります。私は現場から徒歩10分圏内に住んでいるのでだいたい8時起床です。他の「大工」さんは6時30分には目が覚めているようで、そこから朝食を食べたり出勤準備。それから一旦、工務店に集合して道具の準備をして軽トラックで現場に来られます。
8時30分からだいたい15分くらい当日の工程を確認してから作業を開始。9時までは近隣への配慮で大きな音がする作業はしません。そして、10時00分になると1回目の休憩が入ります。毎回、驚くのですが時計を確認する訳でもないのに感覚で10時00分丁度に親方から「休憩しようか?」との声がかかります。本当に毎回、1分の狂いもありません。
現場から徒歩15秒の所にスーパーがあるので、そこで飲料水を購入します。「大工」さんたちは決まって炭酸飲料を飲んでいます。「大工」さんは作業中は一切の雑談をしません。彼らは作業中は黙々と働かれるので、私にとって彼らと唯一のコミュニケーションの時間はこの休憩時間です。工事で気になっている事やこの先の工程予定。技術的なアドバイスをもらったりします。
適当に休憩が終わったら、作業再開。またお昼休みまで黙々と作業をします。本当に雑談はゼロ。会社員時代は(私は決してそういうタイプではないのですが) 出勤してから昼の13時くらいまで、一切の仕事をせずに昨日に見たドラマの感想やSNSの雑感をベラベラと話しながらYahoo!ニュースでネットサーフィンしてるだけの社員も散見されましたが、彼らと「大工」さんでは「生産性」が違いすぎます(笑)
そして「疲労感」が違います。「大工」の仕事はまだ午前中の作業しか終えていないのですが、身体はフラフラ。滝のように額から流れ落ちる汗。暑さも相まって「もう限界」となりそうな12時00分丁度(ここでも1分の狂いもありません)に昼休憩となります。
「大工」さんたちは弁当持参で現場で昼休憩。「大工」さん曰く「この時間でいかにカロリーを稼げるか」が午後からの作業に向けて重要らしく、弁当箱は特大です(笑) 私はというと徒歩で一旦帰宅。まずはシャワーを浴びます。仕事の休憩時間にシャワーを浴びるなんて会社員時代では考えられませんが、これは本当に有り難く、一気に体力と気力が回復します。1時間の休憩時間でやれることは限られていますが、「食事をとる」と「シャワーを浴びる」が一般企業の昼休憩内で実現できたら、会社員の午後からの仕事の「生産性」が跳ね上がると思います(笑)
今、思えば会社員時代の昼休憩は非効率的でした。「仕事」と「休憩」の境界線が曖昧で、忙しい時はデスクで仕事しながら食事をしたり、時間も決まっておらず、(たいして意味のない)打ち合わせが長引いたりすると、何故か16時から昼休憩をとることもありました。メリハリがなく体力も気力も昼休憩内で回復した気はしませんでした。
昼休憩の時間を確定して、それを継続するだけで身体的にも精神的にもこんなに健康的に仕事ができるなんて、今まで気がつきませんでした。別職種を経験できたからこそ知り得た教訓です。
私はシャワーを浴びた後、簡単に食事を摂って、13時00分に現場に戻ります。午後の作業が始まります。もちろん雑談なし。
黙々と作業した後、15時00分丁度(ここでも1分の狂いもありません)に2回目の休憩です。相変わらず、身体的にはフラフラ。このタイミングで飲料水は身体の細胞に行き渡っている、と感じるほどにどんなドリンクよりも美味です。このわずか時間でも「大工」さんとのコミュニケーションは大切です。プライベートの話はしません。90%は仕事の話です。会社員時代の(無駄な) 打ち合わせも、こういうスタイルだったらもっと建設的な仕事ができたかもしれません。資料作成もしなくて良いし(笑)
2回目の休憩を終えると、また作業再開。明日の工程を考えながら仕事を進めます。流石にこの時間は「大工」さんたちも疲労があるようで、作業ペースはほんの少しだけ落ちます。会社員時代は16時くらいからやっと本気を出す社員もいた(もちろん、ダラダラと21時くらいまで残業する)ので、「大工」さんはこれまた彼らとは真逆です(笑)
本来は17時30分までが業務時間なのですが、17時30分まで仕事をしたことはまだありません。だいたい17時00分前後に仕事を終えます。早い時は16時30分には解散する「早上がり」もあります。近隣への配慮もあり、17時30分以降の作業、つまりは残業はありません。会社員時代に定時に退社したら白い目で見られていたので、これまた彼らと「大工」さんとは真逆です(笑)
「仕事終わりに飲みに行ったりするのですか?」と「大工」さんに尋ねてみたのですが、それは無いようです(笑) やはり身体は疲弊しているようで夕食を摂った後、23時には就寝する毎日のようです。(これまた比較して申し訳ないのですが) 会社員時代は「上司と飲みに行った回数=人事評価」みたいな悪習もあったので、「大工」さんのライフスタイルの健全性を感じました。
会社員時代、特に20代の頃は本当に毎日のように24時まで残業、もしくは仕事終わりに終電まで上司と飲みに行くのが当たり前の日々でした。その時は「これも業務の一貫」と思って付き合っていました。30代を過ぎて気が付いたのですが、それは間違いでした。彼ら(上司)はきっと家に帰りたくない、帰れない家庭的・個人的な理由があって、その口実に若手を飲みに誘っていたのでは無いか?と疑っています。飲み屋で上司と話す会話なんて誰かの悪口か忠誠心の確認ばかりで本当に業務に関係ないものばかりでしたし、生産性もありませんでしたから(笑)
私も齢を30を過ぎて家庭を持つと気づいたのですが、仕事中も「家に早く帰りたい」と常に思うようになりました。「何故、そんなに早く帰りたがるの?」と上司に質問されたこともありましたが、それに理由なんてないと思います。「ただ家に帰りたい」のです(笑) 独り身の時はあまりそうは思わなかったですし、家庭がもし崩壊したら、きっとそうは思えないのでしょう(笑) だから上司の気持ちもわからないでもないのですが、若い人材の貴重な時間を奪う理由にはなりません。まぁ時代は変わって、最近の若い人材は上司に飲みに誘われても「断る」という選択肢があるのは本当に良いことです。
17時30分には仕事が終わって、18時には帰宅。家族と一緒に夕食を食べる今の生活に幸せを感じています。「大工」という仕事を経験していなければ、気づかなかったかもしれないことです。
さて、このブログは「リノベーション」についてのみ言及するつもりで、ペンを執ったのですが愚痴っぽい話が長くなってしまいました……というのも今日はあまり写真が撮れていなく、建物について書くことが少なくなってしまいました(笑)
古民家の「リノベーション」は今日も順調です。写真はありませんが(笑)

