【古民家再生日記 着工17日目】電動ドリルの破壊力
着工17日目。火曜日。今週は日曜日のお休みを挟んで、まだ月曜日の1日しか働いていないので身体はすこぶる好調です。明日以降は疲労を感じ始めるのですが(笑) 本日も古民家は「補強」作業です。ただし私は別班。昨日に崩落した外壁の片付け作業に入ります。炎天下の中、地面に落ちた外壁の破片を拾い集めては土囊袋に詰め込み、トラックに運ぶ、という単純作業を朝の8時30分から12時までただひたすらに行いました。私は「補強」作業ではあまり役に立ちませんので、こういった雑用で現場に貢献するしかありません。楽な作業ではありませんが、「大工」さんの役に立つなら何でもします。
と言いつつも、「補強」作業はかなり気になります。チラチラとその様子を伺いながら自分の作業をするのですが、少しづつ建物は仕上がりつつあり、1階南側の部屋にはすでに床板が貼られています。

こうやって梁→柱→床板という風に建物が目に見えて仕上がっていくと、気分が高まるものですね。これから更に古民家が仕上がってくいくと思うと、自然と笑みがこぼれます。
ただ「大工」さんと違って、素人の私はほぼ「補強」作業や「仕上げ」作業には参加できない可能性が高いのです。理由は「工具」がないからです。
「大工」さんという仕事は私から見ると特殊で、「工具」は完全自前です。流石に大きな機材は工務店が所有しているものを使用するのですが、ノコギリやハンマー、インパクトドライバー…などなど、小物?の「工具」はそれぞれに名前が書いてあり、「大工」さんが自身で購入されたものです。もちろん、メンテナンスも自分でされますし、それぞれの身体的特徴に合わせてカスタマイズされています。
入社初日から働けるように機材が提供され、当たり前のようにそれを使用する会社員とは勝手が違います。
もちろん、素人の私は「工具」はありません。毎日、手ぶらで出勤して余った「工具」をお借りして作業をしています。これから先、「大工」として生計を建てるつもりであれば、必要な「工具」を一式で買い揃えるのですが、私にそのつもりはありません。そういった理由もあり、「工具」が絶対必要な「補強」作業や「仕上げ」作業で私が活躍できる場面がほとんど無いのです。
仮に私に「工具」があったとしても、「大工」さんが長年で培った経験や知識が圧倒的に足りていないので、私が役に立つことはほとんど無いのですが(笑) 本音を言うと「大工」さんが長年で培った経験や知識に少しでも触れて、技術を盗みたいと思って、この現場に参加させていただいているので、大事な場面で一緒に仕事をさせていただけない事にはがっかりしています。「工具」はお金を払えば、一式は揃うのですが、直に「大工」さんが長年で培った経験や知識に触れる機会は、お金以上の価値がありますから。
そして午後からの作業。私に手渡されたのは電動ドリルでした。

「大工」さんの貴重な「工具」。しかも、かなり高額の機材です。もちろん、今までの人生で電動ドリルを使ったことなどありません(笑) こうやって今まで使ったことない「工具」を使った作業を任されると緊張感が高まりますし、やる気が高まります。光栄なことです。そして私に与えられた任務は…

…トイレの「解体」でした(笑) このトイレ、1階のアパートの共用トイレだったらしく、和式トイレに簡易的な「おまる」のようなモノが設置されたもので、お世辞にも清潔なものではありませんでした。しかし、与えられた仕事です。「大工」さんでも無くてもできる雑用は全部、私がやるつもりで現場に参加しているので、これは喜ばしいことです。そして今の私には最高の相棒である「工具」、電動ドリルがあります。いざ、「解体」……

…30分、かかりませんでした(笑) 電動ドリル、すごいです!上手く「工具」の機能を引き出せていたかどうかはわかりませんが、文明の勝利です。一瞬でトイレとコンクリートが粉々に。

あと、電動ドリルは使ってみてわかったのですが、御するのは大変です。今回の作業は30分程度で終わりましたが、長時間を使用していたら腱鞘炎になると思います(笑)
こうやって使ったことのない「工具」に触れると言うのは本当にワクワクしますね。これはきっと子供の頃に感じた新しい遊具に初めて触れた感覚と同じだと思います。次にこの「工具」を使用するときはもっと上手く使いたいとも思います。
どんな「工具」もきっとその機能を果たすだけでは無く、その「工具」を通じて人を飛躍的に成長させる効果があります。メンテナンスやカスタマイズが行き届いた「工具」なら尚更です。
「大工」さんの「工具」、私も自前のものが欲しくなってきました(笑)
