【古民家再生日記 着工34日目】壁面造作、今日から室内作業です
着工34日目。神戸は今日も猛暑日。過酷な1日の始まりです。この暑さにはなれませんが、「大工」としての生活リズムにはもう完全に身体が適応してきて、今では目覚ましが鳴らなくても、起床時間に目が覚めるようになりました。朝食を摂る、とういう事も習慣化されるようになりました。会社員時代は出発時間ギリギリまで寝て、朝食も摂らずに眠い顔で後ろ髪を引かれながら神戸市バスに飛び乗っていました(笑)
私はこの「大工」という仕事を気に入っているのですが、近隣の方々は違和感を感じているらしく、私が作業着で水筒と「工具」を片手に出勤している様子を見かけると、かなり驚かれています。 つい数ヶ月前まで、スーツ姿で出勤していたのにこの1ヶ月は作業着姿で出勤しているので、その急変ぶりに理解がついていかないようです。それは 仕方がない事です。これが他人事なら「あの人、どうしたんだろう?」と私でも疑ってしまいますから(笑)
そして今、住んでいる地区とも、もうすぐお別れです。6年も住んでいた地区なので寂しいという気持ちもあるのですが、これから住む下祇園町での新しい生活への期待の方が今は大きいです。本日は8月27日。完成予定は9月26日なのでちょうど1ヶ月後には引っ越しです。「大工」の作業は順調なのですが、他のセクションの遅れもあり納期はギリギリのようです。少しでも現場の力になれるよう、本日も作業開始です。
昨日で外壁の板張り作業は完了したので、今日から室内の板張り作業がスタートします。ここ数週間、私はずっと室外の高所作業を任されていたので、久しぶりの室内です。そして安全な場所での作業です。「大工」さんには出来るだけ体力を消耗しないで「大工」さんにしかできない「造作」作業に集中して欲しいので、身体的に厳しい誰もやりたがらない仕事は全部、私がやるつもりでこの現場に参加しているので室外作業も高所作業も任せていただけるだけ有難いのですが、どちらかを選べるなら、やはり室内作業は快適です(笑)
身体が太陽に晒されないだけで、これだけ負担が軽減されるのか?とうい事を改めて再確認しました。皆さんも炎天下の外出は十分にお気をつけください。太陽はあなたの体力を確実に奪います。
私は久しぶりの室内作業なのですが、室内での「造作」は室外の作業と比べて、より正確性を求められます。木材の長さや傾き、ネジの締め方まで1mm単位の精密さが求められます。

写真は「下げ振り」と言う工具で柱・壁などの垂直を見るための道具です。天井にから吊るした振り子のようなもので壁からの平行ラインを測るのですが、手法はかなりアナログです(笑) 「大工」さんから「1mm右」とか「2mm左」とかミリ単位で調整の指示が入るのですが、振り子の先はちょとした動作で動くのでミリ単位での微調整とか、どのくらい正確にできるか自分でも自信がありませんでした。しかも目算(笑)
しかし、出来上がった下地の木材は驚くほどに正体を保った美しい下地でした。

内壁作業は外壁作業と比べると難易度が高く、「大工」としての技術が試されます。素人の私もかなり丁寧に作業をしているつもりなのですが、「大工」さんのお眼鏡には叶わず、何度も「やり直し」を指示されることが増えてきました。正直、私はあまり役に立っていません(泣)

室内作業は室外作業と比べると「楽」だろうと思いながら今日の朝は出勤したのですが、そんなことはありませんでした。いつも以上に疲れています。今日はどこも筋肉は痛くないのですが、集中力を求められる作業がほとんどだったので「頭」が一気に疲弊しました。
思えば、ここまで私がやってきた作業といえば、「解体」や運搬など身体を使う作業が多く、ほぼ筋肉で問題を解決してきました。それも「大工」の仕事の要素ではあるので「大工」さんの仕事は過酷で身体が資本、と常々に思っていましたが、実際はどうやら違うようです。
本当の「大工」さんは身体的な強さももちろん必要ですが、それより「頭」が良くないと務まりません。むちゃくちゃ理系な仕事です。おそらく、家に帰った時に身体より「頭」が疲れた、と言う感覚が強い「大工」さんが本物の「大工」さんなのだと思います。
身体も「頭」も疲弊しきって、ボロボロの状態で家路につく私はまだ “何者” でもありません(笑)
