【古民家再生日記 着工14日目】耐震補強とシロアリ対策
着工14日目。今日も前日から引き続きで「補強」作業を行います。「補強」作業も今日で7日目を迎え、天井部分や梁の「補強」は1階も2階もほとんどを終えました。次に「補強」するのは支柱と床面です。

今日は1階の床面に床板を乗せるための「床束」と「大引き」を設置していきます。「床束」とは床を支える短い柱(石)、土台や束柱の上にある床下の根太(ねだ)を支える横木のことを「大引き」と呼びます。
この「床束」と「大引き」。強度ももちろん大切なのですが、それ以上に重要なのは水平レベル。3メートル近い「大引き」を2〜3個の「床束」で支えるのですが、地面は決して水平ではなく、単純に「床束」の上に「大引き」を配置したでけでは水平レベルを維持できません。
どうやって水平レベルを調整するかと言うと、地面の穴を掘ったり「床束」の上の木材を削ったりしてレベルを合わせます。それは途方も無い作業……のように思われたのですが、「大工」さんにとっては日常的な作業のようで、手際よく「床束」と「大引き」を設置していきます。
床面の水平レベルなんて、普段の生活では当たり前のように整っているので、あまり気にとめた事は無いのですが、こうやって「大工」さんの努力や技術を間近に見るとその有り難さを再認識させられます。感謝。
「床束」と「大引き」に重要なのは強度と水平レベルだけではありません。もう一つ重要なことがあります。それは…「シロアリを寄せ付けないこと」です。兵庫区平野は目の前に六甲山がそびえ立ちます。どうしても蒸し暑い季節になるとシロアリと羽アリが山から降りて来てしまいます。公道の電灯に羽アリが群がる様はこの地域の夏の風物詩です(笑) シロアリは湿度が多い場所を好み、日光や乾燥を嫌うので空家は絶好の住処になるようで、実際にこの古民家も何本かの支柱をシロアリに喰われていました。
どんなに対策していても「シロアリが建物に住みつく可能性は排除できない」のですが、当物件では「床下の点検ができる作りにする」と「木材に防腐剤を塗りつける」という対策を講じることとなりました。

今回に使用した防腐剤、木材の腐敗を阻止するだけでなく防虫効果もあるのです(その代わり匂いは強い)。30坪程度のスペースを埋め尽くす「床束」と「大引き」に防腐剤をヘラで塗るわけなので、中々の重労働なのですが、この工程はかなり大事です。

しかし、これだけやってもシロアリはかなり高い確率で我が家にやってくると思います。それは震災や水害よりも可能性が高いと感じています。これだけ近くに自然(六甲山)があって、さらには海(神戸港)も近くにあるわけですから、神戸市兵庫区の生態系は多様です。シロアリだって「人間を困らせよう」と思って、建物に住み着いている訳ではありません(笑) それはたまにこの地区で起こる獣害も同じで、彼らは自分の生態系を維持するために山から降りて来ているのであって、生きている理由はおそらく人間と同じです。多分。
だからと言って「シロアリが家に住み着いても良い」と言う気持ちにはなりません。人間と自然、住み分けは大切です。彼らが間違ってこの古民家に住み着かないように、大人しく自然(六甲山)に帰ってもらえるように、明日から「床束」と「大引き」にベトベトになるくらいの防腐剤を塗りたぐる事を強く心に誓うのでした。
