【古民家再生日記 着工36日目】全員で屋根に上がりました
着工36日目。本日は8月29日の土曜日。この物件を購入したのが2月。(紆余曲折あって)リノベーションの開始が遅れたのですが、それでも私たちの希望の物件引渡日は8月29日を希望していました。というのも、この8月29日というのは私たち家族にとって特別な記念日でもあります。この特別な日に新居に引越しをする、ということを夢見ていたのですが、それは実現しませんでした。2月に購入した物件が8月29日までに完成していない、というのは想定していなかったので、この件に関しては非常に残念に思っています。工事が始まったのが7月13日なので8月29日に完成するなんてことは無理は承知でした。問題は2月から7月まで良い準備が出来なかった事が悔やまれます。
そして、今この状況も良い準備が出来ているとは言い難い事を恥じています。現場での作業は本当に順調なのですが、それ以外は決して良い仕事が出来ているとは言えません。それは2月から続いている問題です。そして、その問題は9月末の物件引き渡しにも悪い影響を及ぼしそう、ということを「大工」さんから通達されました。「大工」さんたちは非常に懸命に毎日を作業してくれているので、当然ですが不満など言えるはずがありません。彼らはどんな状況でもきっとベストを尽くしてくれています。
私は「納期が遅れる」ことに失望しているのではありません。それは私にとって本当に些細な問題です。リノベーションというのは本当に多くの人が関わっています。そして、その全ての人が「ベストな仕事をするわけではない」という事実からずっと目を背けていた自分に腹が立っているのです。そもそも「全ての人がベストな仕事をする」なんて事はありえない、と言うことは長過ぎた会社員生活の中で、とっくに気づいてたはずです。全ての人に「責任感」と「誠実さ」を求めるなんて無理がありますから。
それでも仕事は必ず全うしなければなりません。誰かの「無責任」と「不誠実さ」は他の誰かが穴埋めをしなければいけません。
このブログを始めるにあたり、愚痴っぽい事は文章に残したくないと思っていたのですが、リノベーションの良い側面だけをこのブログに記すのは、後にリノベーションしたいと思う方の参考にならないし、フェアではないと思ったので少し愚痴っぽくなってしまいました。
正直に言って、リノベーションは思うようにならないことがほとんどです、というのが現時点での感想です。予算があればどんな問題も解決できるのでしょうが、もしそんな予算があるのであれば新築の購入をおすすめします(笑) その方が楽ですし確実ですから。
リノベーションをするなら「良い出会い」が絶対条件なんだと思います。それは「街」であり「物件」であり「人」との「良い出会い」です。どれか1つでも欠けてしまうとそこに化学反応は生まれません。もしリノベーションをしてみたいと思う方がいらっしゃいましたら、まずはそれが「良い出会い」だと確信できるかどうか自分に問うてみると良いと思います。
気持ちを切り替えて現場の話を少しだけ。本日は現場に「大工」さんが5名、「左官」屋さんが2名と私。過去最多8名のスタッフが現場に合流しました。納期の遅れをパワープレーで解決しようと言う強い意図を感じてしまいました(笑) そして今日の作業は「屋根」の「解体」と「造作」。こんな日に限って最高気温37℃。この炎天下の中、全員が「屋根」の上に上がりました。

上からの太陽の熱気、「屋根」からの照り返しの熱気。まさに地獄。土曜日まで蓄積された疲労の影響もあり、皆さんも疲弊を隠しきれていませんでした(笑) しかも久しぶりの室外の高所作業だったので、現場にも緊張感がありました。私は「左官」チームに合流。2階南側の屋根の「解体」を任されました。

「大工」チームに数日合流した後の「左官」チームへの合流。しかも「解体」作業。筋肉の強さで問題を解決できるこの感覚。暑さは苦痛でしたが、楽しかったです(笑)

面積も広くなかったので昼過ぎには「屋根」の「解体」作業は完了。どんな小さな仕事でもやり遂げると達成感があります。その後は「大工」チームに合流し、「屋根」の「造作」作業に入ります。

「大工」さんが5名も現場にいると、作業が順調に進まない理由がありません(笑) 私の活躍できる場面は今日は少なかったです。
午前中は色々と考えることが多くて精神的にモヤモヤしていましたが、こうやって室外で汗だくになりながら作業をしていると、自分の悩んでいたことなんてどうでも良いと思えます。健全な精神は健全な肉体に宿る、とはよく言ったものです。
何より「大工」さんたちがこうやって懸命に働いている姿を見ていると、私もやる気になります。彼らはこの良くない状況になっても可能性がある限りは「工期を守る」と言う意欲を失っていません。「責任感」と「誠実さ」の象徴のような男たちです。この現場で彼らと一緒に参加させていただいている事を私は感謝しなければいけませんし、私は彼らの姿勢から何かを学ばなければいけません。
もし私が現場に参加していなかったとして、2月から今日までの「施工主」としてのフラストレーションを考えれば、この物件に愛着をもって住まう事は出来なかったと思います。しかし今は「大工」の端くれとしての物件への愛着、そしてこの物件のリノベーションに関わってくれているスタッフさん達への敬意が私の中にあります。私にはこの物件を大切にして、理想の生活を実現する責任があるのだと思います。
8月29日。私たち家族の特別な日に引越しをする事は出来ませんでしたが、必ずや1ヶ月後に「施工主」としてこの物件に帰ってくる事を心に誓って、今日は家路につくのでした。
