1. HOME
  2. ブログ
  3. 【古民家再生日記 着工60日目】工期は間に合わず…

【古民家再生日記 着工60日目】工期は間に合わず…

着工60日目。9月27日、土曜日。本来であれば、今日この日に物件は完成していて私たち家族に引き渡しが実行されるはずでした。残念ながら工事は工程表通りには進まず、9月の初旬に完成予定日の変更が通達されました。なので9月中に引っ越しができないことは数日前からわかっていたのですが、どうしてもこの日を迎えてしまうと心の動揺は感じます。

「大工」さんは本当に懸命に作業していただいているので不満はないのですが、それは私が現場に参加しているからわかることです。予想外の作業が発生したり、不運が発生したり、天候に恵まれなかったり……、その全てを私は現場で見てきました。だから「大工」として工期が遅れるのは仕方なかった、と思える部分があるのです。

しかし、もし私が現場に参加していない普通の「施工主」だったら、どう感じたでしょうか?大工さんの懸命さや不運や天候も知る由はありません。ただ「遅れる」という事実だけを伝えられたら、怒りがおさまらなかったと思います。何しろ、この物件を購入したのは2月ですから。あれから日数だけが過ぎ、今ではもうすぐ10月です。準備期間もたっぷりとあったのにその全ての時間を無駄にしてしまいました。

前のブログでも言及しましたが、納期が遅れることに怒っている(もちろん失望している)というよりは、そこに到るまでの過程にフラストレーションを感じているのです。どの業種でも同じだと思うのですが仕事をしてると「納期は命より重い」なんて言葉をよく耳にします。もちろん、それは自社内の指標や不文律であって他の誰かに強要するものではありません。しかし、納期が遅れるということが「施工主」にとって (いや仕事全般で考えると「クライアント」様に対して)、心理的にも金銭的にもどれほどの負担になるかを身をもって私は経験しました。

今回の件を通じて、私は自分の仕事をするにあたり、「クライアント」様に対してこのような負担を決して負わせないことを改めて心に誓いました。「納期は命より重い」と私は思います。本来はそこに懸命さや不運を言い訳にするのは道理ではないです。それは「クライアント」様には全くもって関係のないことですから。

愚痴っぽい前段が長くなり過ぎました(笑) 現場の話に切り替えましょう。

本日は「大工」「塗装」「クロス」「電気」「建具」の5チームが合流。私は「大工」チームに合流しましたが、本日の任務は片付けです。

現時点で「大工」さんがこの物件で出来る作業は全て完了したので、一時的に「大工」チームは撤退します。「塗装」と「クロス」貼り作業が完了したら、またこの建物に戻ってくるのですが、その前に「クロス」屋さんの作業の邪魔にならないように、全ての工具と廃材を工務店の倉庫に引き払います。

述べ60日間を働き通した工具たちです。恐らく、それらのほとんどはもうこの改装では使う予定がないので、ここには戻っていきません。感謝と敬意を込めて送り出しました。

更に今日は「建具」屋さんが現場に合流。店舗入口のドアを納品に来られました。

現場でドアの微調整をしたり鍵を設置していきます。「建具」は職人さんの工房で大まかに製作して、現場で微調整されるのが一般的なようです。

正面玄関に「建具」が入ると建物の印象が一気に変わります。隣接する私道を通られた近隣住民の方にも「格好良いドアだね」とお声がけをいただけました。私もそう思います(笑) かなり渋い「建具」です。「建具」屋さんに感謝です。この後、「塗装」屋さんがこのドアを工房に持ち帰って、「塗装」していただけるので完成はまだ先ですが、かなり期待できそうです。

「塗装」屋さんは本日から本格的に外壁の「塗装」をスタートしました。

これから2層の塗料を塗っていただけるので、本日は1層目の「塗装」です。本日の作業では面積的には多くは濡れなかったのですが…

…こちらもかなり良い雰囲気です。「塗装」の作業完了予定は10月5日なので、この作業はまだまだ先が長いです。

「クロス」屋さんも作業は順調です。

パテ塗りが終わった箇所から順番に「クロス」が貼られているのですが、本日は天井に続いて内壁にも「クロス」が張られている部屋がありました。こちらもかなり良い雰囲気です。

来週からは「大工」さんは現場にしばらく来られません。「塗装」屋さんと「クロス」屋さんとだけが現場に来られます。私はそのサポートと建物の清掃作業に入る予定です。60日間も一緒に働いていた馴染の「大工」さんが来週から現場に来られないのは何か不思議な感じがします。今からソワソワして来週の月曜日が不安です(笑)

そして、(まだ終わりではないですが)ここまで60日間で一切の妥協がなく、この古民家を改修して頂いた「大工」さんたちに私は感謝と敬意を払わなければなりません。納期が遅れてしまうのは残念ですが、彼らは最後の1秒まで懸命に作業してくれました。

もちろん、それは「大工」さんだけではなく、このリノベーションに関わってくれている全ての職人さんも等しく同じです。(まだ終わりではないですが)全員に深く感謝を申し上げます。

そして、まだこの古民家のリノベーション作業は続きます。延期によって再設定された物件引渡日は2020年10月8日です。作業日数にすると、あと残り7日間です。その日に私の「大工」としての時間が終わり、ただの「施工主」に戻ります。

9月27日、土曜日。本当なら今頃は新居で引っ越しの片付けをしていたはずでした。しかし、それは実現しませんでした。「大工」として、そして「施工主」として。今はただ複雑な心境です。答えが見つからないまま今日は眠ります。