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2020年の営業を終えて…

12月26日、無事に2020年の営業を終了することができました。
最終日も沢山のお客様にご来店を頂き、感謝を申し上げます。

当店は2020年10月27日の開店したばかりなので、今年は実質は2ヶ月の営業でしたが、物件のプランニングやメニュー開発、更にはリノベーション工事など…私たちは2020年のほとんどの時間を「平の茶房」のために費やした気がします。

飲食業に慣れないことも多くて、苦労した時間も多かったのですが、こうして無事に2020年の営業を終えると、その全てが愛しい時間にも思えます。
開店したばかりのお店ですし、不慣れなことも多いので、来年以降も試行錯誤の日々が続くことは覚悟しておりますが、こうした苦労や苦難が私たちと「平の茶房」をより強く前に進めると確信しています。

もちろん、全てのお客様にご満足いただけたとは思ってはいませんが、今年に来店いただいたお客様の温かいお声や町の方々のご協力が私たちの活力になっています。

開店してからの2ヶ月で個人的に一番、嬉しかったことは近所に住んでいる小学生たちが学校帰りに雨宿りで、当店に遊びに来てくれたことです。

小雨が降る中、物珍しそうに店内を眺めていた彼らを店内に迎え入れました。彼らは2時間の滞在で『STAND BY ME ドラえもん』を鑑賞していました(笑)
ドリンク付き。もちろん、無償です。
この店を開店する前のコンセプトとして「子供が楽しめる店」を掲げていたので、開店2ヶ月にしてその目標の一部を達成できたことを感慨深く思います。
彼らは映画に夢中だったので、じっくりとコミュニケーションが取れなかったのですが、学校のことや町のことなど彼らの話すことの全てが興味深く感じました。
また来年にでも彼らが「平の茶房」に遊びに来てくれたら、もちろん無償で迎え入れます(笑)
そして、彼らが大人になった時に「平の茶房」のことを少しでも覚えてくれていたら誇らしいです。

お店に来店していただいて嬉しいのは子供だけではなくて、高齢の方に来ていただけることも、もちろんとても嬉しいです。
そして、高齢のお客様の興味深いところは「地元愛が強い」という所です。
私たちはこの街で育った訳ではないので、平野の歴史に詳しい訳ではありません。ご来店いただける高齢のお客様から「昔の平野は○○だった」というお話は私たちを強く惹きつけます。
先日に常連のお客様から『神戸今昔写真集』という写真資料をお借りしました。
2010年に発売されて完売、再販もされていないので今では絶対に入手できない資料です。昭和初期の神戸の街と現代の神戸の街を写真で比較するという資料なのですが……

……これが興味深い。160ページの写真資料なのですが、1時間以上かけて熟読しました(笑)
資料に平野近辺を紹介するページはあまり多くはなかったのですが、現在の姿からは考えられない繁栄がそこにはありました。
ご来店いただく高齢のお客様が話す「昔の平野は○○だった」というお話がよりリアルに感じられる瞬間です。

私たちでも常々に話しているのですが、「昔の平野は○○だった」というお話はこれから平野で生活をされる若い方々に語り継ぐ価値のあるお話だと思っています。しかし、そのための資料や写真があまり保存されていないことを残念に感じています。どうしても、お話だけでは語り継ぐ過程で純度が薄くなってしまうので『神戸今昔写真集』のような資料の必要性を感じています。

この街に住まわれている「地元愛が強い」高齢者の方々は平野にとって「資産」だと思います。その方々が元気で健康な内に平野の話を伺わせていただけるのは有難いことです。
そして、私たちが伺った話は後世にも伝え聞かせたいと思います。その中で私たちで『平野町史』のようなものが制作できれば良いな、と思っています。

「お客様の満足度向上」と「店舗運営の安定化」が2021年の最優先課題ですが、「町史制作」もゆるりと案件を進めていければと考えています。高齢のお客様にご来店いただいた際には、是非とも「昔の平野は○○だった」というエピソードを伺わせていただけますと幸いです。そして、もし可能であれば、昔の写真資料などをお借り願えれば更に有難いです。

明日から「平の茶房」は少し長いお正月休みを頂きますが、2021年にまた皆様にお会い出来ること楽しみにしております。

それでは皆様、良いお年を。