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【古民家再生日記 着工64日目】現場に残された2人…

着工64日目。本日は10月1日。また新しい月がスタートしました。9月1日のブログでは「大工」をしていると「新しい月が始まる、と言う感覚が薄れている」と言うことを書いていましたが、10月は「新しい月が始まった」という感じがします(笑)

…「始まった」と同時に最近は「終わり」も強く意識するようになり始めました。この現場も残りは今日も含めて6日間です。特に寂しいという気持ちもなく、この現場では特に思い残す事も悔いもありません。毎日を「出し切った」という感覚があります。会社員時代と違って、身体的に心地よい疲労感に包まれながら家路に着けることを「労働者」として誇らしい気持ちでもありました。現場から今住んでいる賃貸までは近いので、誇らしい気持ちになれるのはわずか10分程度なのですが(笑)

残り6日間の「大工」生活ですが、今までと変わらないモチベーションで、誇らしい「労働者」のまま現場を去るつもりです。それは今日も同じ。

本日は現場に合流したのは私と「クロス」屋さんの2名のみ。敷地面積30坪の物件。この広い空間にわずか2名です。現場を静寂が包みます。いつも騒がしくしているので、近隣住民の方々はきっと今日は現場は「お休み」と勘違いされたかもしれません(笑) それほどに今日は静けさが鮮明でした。

私は「クロス」屋さんが作業した箇所の清掃に入りつつ、建物全体の清掃もしていきます。今日は建物南側も清掃します。

清掃のために「足場」からメッシュシートを外しながら作業していたのですが、もう見た目は完全に新築です。今まで「足場」の内側でしか作業していなかったので、外側から建物を見る機会がなかったのですが、本当に建物が「生まれ変わった」と思います。今更ですが、このリノベーション工事に自分が関われていることに感動すら覚えました。

私は「客観的」にこのリノベーション工事を観察することはあまり出来ていないのですが、これが他人事なら「面白いことしてるなぁ」と感心していたと思います。近隣住民の方々の反応もそのような感じです。

私は「大工」としてこの現場に関わっているので、「この建物をどう思うか?」という第三者的な視線はあまり考えたことがありませんでした。こうやって少し離れた位置から視認する。ただそれだけで「客観的」な視点でこの建物を観察できたのですね。作業終盤に来てもまた新しい発見があるから、この仕事は面白いです。

私の清掃の進捗報告はまた割愛しますが、「クロス」屋さんも作業は順調です。実際のところ、現場に「クロス」屋さん以外の職人さんが来られないのは「クロス」屋さんの「クロス」貼り作業が完了しないと、次の作業が進めないからです。なので工務店の方からよく急かされています(泣) 「クロス」屋さんも他の現場などで多忙なので、この工事に職人の数を増員したりは物理的に厳しいのですが、最小人数でもベストを尽くしてくれているので、もちろん私は不満はありません。むしろ毎日で遅くまで残業していただいているので、申し訳ない気持ちと感謝しかありません。

実際、「クロス」屋さんの作業ペースは早いと感じます。今日は1階浴室の床面のビニールクロスを貼っていただきました。

浴室の床面のビニールクロスは昭和の銭湯っぽい古臭い素材が希望だったので、竹の図柄の「クロス」を選択しました。ビニールクロスなので昭和の銭湯っぽい質感までは再現できないだろうと期待はしていなかったのですが…

…かなり良い雰囲気です。水色のタイル柄のクロスとの相性もよく感じます。浴室の脱衣所は必要以上に広いスペースに仕上がっているので、使い勝手が良さようです。私たち家族はあまり風呂は長い方では無いのですが、毎日のお風呂が楽しみになりそうです。

浴室の奥のクロークも渋い仕上がりです。浴室もクロークもDIYで収納を私が製作しないといけないのですが、ここまで良い雰囲気に仕上がると下手な収納を設置してしまったら台無しになってしまいますね(泣) 本音は外注したいです(笑)

「クロス」屋さんは1階の浴室の「クロス」貼り作業を終えると、1階玄関から通路にかけての天井の「クロス」貼り。この箇所を貼り終えると天井の「クロス」貼り作業は完了。明日と明後日で1階の壁面に「クロス」を貼っていく予定です。

夕方17時30分。私は「クロス」貼り作業では何の役にも立たないので定時で上がりますが、「クロス」屋さんは今日も残業です。明日から「大工」さんが現場に戻ってくる予定なので、その該当箇所までは今日中に「クロス」を貼っていただけるようです。

私も今日1日を懸命に働いたつもりですが「クロス」屋さんのそれとは比べ物にはなりません。おそらく彼らこそ、本物の誇らしい「労働者」です。感謝。