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【トライやる・ウィーク2022】神戸市立湊翔楠中学校の生徒3名が実習体験に当店を訪れました

トライやる・ウィーク

2022年11月7日から11日までの5日間、神戸市の中学生の職業実習コンテンツ「トライやる・ウィーク」が開催されました。
当店も8日から11日までの4日間だけではありますが、地元中学生3名を受け入れをさせていただきました。
最初に中学校の主幹教諭の方からお話をいただいた際は、私たちのような小規模な事業が子供たちを預かって良いのか?と迷いはあったのですが、「平野界隈で受け入れてくれる企業が少なくて困っている」とのことだったので、私たちは快諾いたしました。

主幹教諭の方から「内容はお任せする」とのことだったので、4日間の内の3日間を「デザイン事業部」で残り1日を「飲食事業部」で職業実習してもらうことにしました。

当店に職業実習に訪れた生徒はコンピューター部の男子3名。全員が礼儀正しく大人しく私が想像していた「中学生」のイメージとは全く異なるものでした。
彼らは私たちが生きた「中学生」の時代より裕福で情報に溢れた時代を生きているので当然といえば、当然なのですが、彼らと過ごした4日間はとても興味深いものとなりました。

簡単にではありますが、私たちが提供した職業実習のプログラムを紹介します。
初日は彼らの自己紹介も兼ねて彼ら自身の「名刺」をデザイン制作ソフト「Adobe Illustrator」を使用して制作しました。

トライやる・ウィーク

「ソフトの使い方」「デザインの基本ルール」の2つだけを最初に教えて、後は自由に制作してほしい、と彼らに伝えました。「デザインについては私から口出ししない」「ソフトの使い方は積極的にアドバイスする」という彼らの主体性を試すようなプログラムにしたのですが、彼らは十分にそれに応えてくれたと思います。

トライやる・ウィーク

完成した名刺は実際にプリントアウトして、彼らに持って帰ってもらいました。名刺には個人情報が記載されているので、ここでは紹介できませんが、悪くない仕上がりだったと思います。
職業実習初日の最後に「家に帰ったら、家族や親族に名刺を配ってほしい」と彼らに伝えました。そして「これから10年くらいの時間が経って君らが企業に就職したら、その企業から名刺が渡されると思うから、それは改めて家族に配ってね」と伝えたのですが、13歳の彼らにはその重みを理解できなかったようで、彼らは「何のことを言っているのだろう?」という不思議な表情でこちらを見つめていました(笑)

職業実習2日目は次の日に店舗で使うメニュー表を制作してもらいました。

職業実習初日に基礎的な知識を得ていたこと、そして初日の終わりに「明日の作業」を事前に伝えていたので、彼らなりに制作イメージを事前に練っていてくれたようで、予想以上に高品質なメニュー表とチラシが制作をしてくれたと思います。
私が驚いたのは彼らが職業実習前日に「制作したいイメージ」を予習・調査してきてから2日目を迎えてくれたことです。
何でも共通して言えることなのですが「準備」の大切さは大人でも理解していない人が多い中、彼らはそれを知っていたのは少なからず、衝撃を受けました。
日本の未来は明るいかもしれません(笑)

トライやる・ウィーク

職業実習3日目は店舗で接客を経験してもらいました。本当は飲食事業に関しては職業実習プログラムに組み込むべきか迷ったのですが、最終的に「自分の作ったメニュー表・チラシを実際にお客様に見てもらって評価をいただく」ということを実体験として得た方が良い、という結論に至りました。

トライやる・ウィーク

もちろん、彼らは飲食事業つまりは接客業務も最善を尽くしてくれたと思います。ただ、昼食時に「初日と2日目と比べると今日の仕事(接客)は退屈だったでしょ?」と質問してみると、その答えは「Yes」でした(笑)

トライやる・ウィーク

「この職業は退屈かもしれない」ということを肌で体験できるのも職業実習の良いところだと思うので、飲食事業を彼らが経験したことは、ある意味でよかったと思っています。
ただ、制作したメニュー表やチラシは来店されたお客様から概ねで好評をいただいていたので、それに関しては彼らは「満足感」を得ていたようです。
彼らが将来にどういった職業に就くかはわかりませんが、それがお客様と社会の問題を解決する職業であることを願うばかりです。

職業実習4日目は彼らの要望を受け入れ「動画制作」を経験してもらいました。彼らが経験した3日間の出来事を45秒間でまとめて編集して、当店のInstagramで紹介しました。
最後の1日は職務というよりパソコン教室という雰囲気で、彼らに新しい知識と経験を提供できればと思っていたので、これまで以上に彼らの自主性を尊重しました。

正直、この4日間で彼らのこれからの人生に役立つ経験を提供できたかは分かりません。恐らくですが彼らはデザインとも飲食とも違う職業に就くと思います(笑) そして実際にそうであって欲しいとも思っています。
デザインや飲食で解決できる社会問題はそれほど多くありません。しかし解決すべき社会問題はこの世界に本当に多すぎるほど存在しているのです。
彼らはまだ若く才能があり時間が多く残されています。
これからの10年間で重要な知識と経験を手にして、より多くの問題を解決できる人材を目指して欲しい、と最後に彼らに伝えて、今回の職業実習を終えました。

2020年に当店を開店するにあたり私たちは「当店は子供たちの味方であり続ける」ことを1つの目標としていました。
当店が子供たちにとって「良いコンテンツ」であることは私たち夫婦の約束です。
未熟なプログラムを用意してしまいましたが「トライやる・ウィーク」に参画できたことは私たちにとって良い経験となりました。
次年度以降に「トライやる・ウィーク」に参画するかどうかはまだ未定です。子供たちに需要があれば、またやってみたいという気持ちもありますし、そうでなければ今回で終わりです(笑)
また、私たちが「トライやる・ウィーク」に参画するに値するかどうかも改めて自己分析する必要があるでしょう。

最後に彼らがこの4日間で何を学んで、それを将来にどう生かすかは分かりません。彼らは帰る前に「ありがとうございました」とお礼を言ってから帰路につきましたが、残念ながら何も得るものがなかった可能性もあります。
ただ、私たちは彼らから学ぶことが多かったです。
だからお礼を言うべきは彼らではなく、僕らの方なのかもしれません。
とても興味深い4日間をありがとうございました。