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【古民家再生日記 着工67日目】足場を撤去しました

着工67日目。本日は月曜日。私にとって「大工」として最後の週です。このリノベーション工事も残すところは3日です。最終日は現場には入りますが、引越準備などで実質的にはお休みをいただいているので、私が現場に関われるのは、今日と明日のあと2日間だけです。

現場は細かい「仕上げ」や「片付け」などが主な作業なので、私が役に立つ場面は少ないのですが、最後まで集中して作業に挑むつもりでいます。本日は「大工」「水道」に加えて「足場」「畳」の4チームが現場に合流しました。

「足場」屋さんは7月27日以来で2回目の現場合流です。前回は「足場」の設置に来ていただきましだが、今日は撤去に来ていただきました。7月27日から本日まで71日間、この建物を守り続けてくれた「足場」ですが、今日でお別れです。

「足場」屋さんは前回と同様に手際よく作業され、3時間程度で約140平米分の外壁を囲う「足場」を撤去されました。

「足場」を撤去し終えると、完成した建物の外壁が初めて露わになったのですが……

…外壁の質感やカラーなど、かなり良い雰囲気です。そして何よりも映えているのは「花台」です。外から「花台」を見るのは今日が初めてなのですが、設置して良かったと改めて実感しています。そして、渋い「花台」を製作していただいた「建具」屋さんに改めて感謝です。

…渋い、といえば「畳」屋さんも渋い「畳」と襖を本日に納品いただきました。

この物件は全部屋で「畳」を採用したのですが、かなり良い雰囲気です。「畳」は前オーナーは「本畳」という重厚な「畳」を採用していたのですが、私たちは「スタイロ」という断熱材入りの新素材の物を採用しました。

とても軽くて扱いやすいもので重厚感はないのですが、見た目は「本畳」と全然で変わりません。7月に「本畳」を搬出した時にはその重さで腕が引きちぎれそうでしたが、この「スタイロ」の「畳」なら何往復でも運搬できそうです(笑)

そして「畳」の和室に合うシーリングライトとして、四角形の昭和風吊り下げ照明なのですが、これは前オーナー様が使用していたボロボロの吊り下げ照明を自分で洗浄して再利用しました。

前オーナー様が使用していた吊り下げ照明のメーカーは「National」でした(笑) 今では絶対に手に入らない代物だと思います。前オーナー様が使用していた吊り下げ照明はもう何台かをそのまま再利用するのですが、その機器は「SANYO」の製品でした(笑) こちらの製品も現代では絶対に手に入らないと思います。前オーナー様がいつ、この吊り下げ照明を購入したのかはわかりませんが、「National」も「SANYO」も昭和の電気機器メーカーとしてはTOP5に入るほどの大企業です。数年後に2社とも「Panasonic」に統合されることになるとは、当時の人たちは予想できなかったと思います。

この吊り下げ照明も丸型蛍光灯も寿命が尽きるまで私が大切に使用しようと思います。あわよくば、「National」も「SANYO」も聞いたことないであろう遠い後世まで引き継ぎたいです(笑)

話が「畳」屋さんの仕事から少し逸れてしまいましたが、「畳」屋さんに納品いただいた襖もかなり良い雰囲気です。

2階のリビングは広さもあるので「畳」と襖を入れたら、田舎の民宿のような雰囲気になりました(笑) この部屋は日当たりも良いので特に気に入っています。そして2階のリビングは私も「大工」としてかなり「造作」に関わっているので特に強い思い入れがあります。「施工主」としてこの建物に引越してきても、この部屋は必ず清潔感を保ったまま、なるべく傷を付けないように使用することを誓います(笑)

本日は細かい「仕上げ」作業を終えて作業終了です。

そして本日で「大工」さんは現場を完全に離れます。3ヶ月間、ずっと一緒に働いてきた彼らとの別れの時です。彼らは全ての工程をやりきりました。私の「大工」としての時間はこの現場で終わりなので、またどこか(現場)でお会いすることは無いと思います。もちろん「大工」さんたちが平の茶房に遊びにきてくれたら、それはかなり歓迎します(笑) もしそれが無ければ、本当にお会いする機会はもう無いかもしれません(泣)

それでも私は「大工」さんたちの事を忘れることは無いと思います。この建物を壁を天井を見るたびに必ず思い出します。この古民家を蘇らせたのは彼らだ、ということを。敬意を込めて。彼らの貢献に感謝を。